殺シ屋鬼司令II

読書と研究について書いてきました。最近は万年筆で書く快感にひたっています。当ブログでは、Amazonアフィリエイトに参加してリンクを貼っています。

朝の音

さっき、窓を開けて、網戸にして、ネットをしていた。朝から暑い。
管理のおじさんが、掃除をしているのが聞こえていた。
そのうち、誰かが出かけるところだったのだろう、おじさんは「おはようございます」といってあいさつをした。
「カラス……まだ来ますか? 子供がいなくなったからどうだろうと思うんだけれど」
答えたのは女性の声だった。
「あの、わたし、傘さして歩いてるんですよ……怖くって」
どうやら、前に女性はカラスに襲われたのだろう。おそらく、このマンションで、隣の木に巣があって、それで攻撃されたのだろう。女性は、本人の癖なのかもしれないが、憔悴したような、少し泣きそうな声だった。
私はカラスの巣を見たいと思った。
「それで、黄色い傘」
「そうなんです、黄色が一番いいって聞いて」
「そうだね、あと、カラスよけには何かの音がいいって言うね」
「もう怖くって、いつもさしてて」
「音を使うといいって言うね」
二人のそれぞれは、同じ事を繰り返ししゃべっていた。私は、減衰振動を思い出した。
そして二人でどこか歩いていった。巣を見に行ったのかもしれない。
一瞬、たかがカラスでああも憔悴して絶えず黄色い傘を持ち歩くようになるということはあるのか、それほど強烈な体験なのかと思ったが、当然ある話だ。
カラスの遠くない叫び声が、窓を通して聞こえていた。

Q6. ケガをしたカラスを助けてあげたいのですが。
A6. ケガをしたり弱っているカラスを見て、助けてあげたいという気持ちを抱くことがあるかも知れませんが、現在、カラスは生息数が増えすぎて、様々な被害をもたらしています。このため、残念ながらカラスを保護することはできません。もしケガをしたカラスを見かけた場合でも、そのまま見守るか、草むらなど緑の多いところへそっと放してあげてください。

パセリ、セージ、ローズマリー、アンド、タイム、将軍は兵士に命じる、殺せと。「残念ながら」ということばが白々しい。それに、「緑の多いところへそっと放して」、いったいどうなるというのだ。
カラスの安楽死には炭酸ガスを使うらしい。が、その場で手軽にやるにはどうしたらいいんだろう。