この本に載っているものではないが、私はいま、自分の論文の執筆と並行して、自分の分野の原論文の筆写を試みている。自分のラボのheadのC誌の論文だ。一文ごとに凄みが伝わってくる。ユニークなテーマ、発見されたタンパクの新奇性もさることながら、なによりも、分子・細胞・発生の3分野を貫いた堅固な研究姿勢は、つねに目標とすべきものだ。
正直に言おう、ヘッドのデスクの書棚に、ボルン・ウォルフの「光学」全3巻が置かれているのを見たときは戦慄した。「光学」書は、生半可なものではなく、物理学徒が取り組むべき修行の1つであると耳にしたことが、あったからだ。