殺シ屋鬼司令II

読書と研究について書いてきました。最近は万年筆で書く快感にひたっています。当ブログでは、Amazonアフィリエイトに参加してリンクを貼っています。

崖の上の日本家屋にラボがあった。ヘッドたちがスキーをしていた。
帰ってきてふらりと街なかの大通りにある古書店に入った。
指導教官の声がした。
見回しても店主のほかには先生のみならず客もいない。と、よく目を凝らすと、1つの書棚の向こうは階段をふさいでつくってあるらしく、向こう側にかすかに先生の姿が見えた。
「先生、何やってるんですか」
「ハマヂくん、進んでるかい」
「いや、それが」
「早くやらないとダメだよ。最近の世の中は意味がわからない。『カレシのカノジョになる!』だって、ふざけるなといいたいですよ」
浮気をして、もう既に誰か別の女のカレシである男を女が篭絡するという女性誌の企画なのかしら、と思った。
店を出て、振り向くとそこには店は跡形もなかった。駐車場だった。何かのお告げだったのだろう。
大通りを歩いていって、疲れたので喫茶店に入るととても場違いな雰囲気で、おそろしく高級だった。
隣にジャック・ニコルソンが座り、日本語で話しかけてきた。あれこれ話していたが、私が
「芸術を、芸術に限りませんが、酒も、料理も、極上のものを本当に理解することができるというのは限られたごく一部の人ですよ」
というのに及んで、
「耳の痛い話だ……こなきゃよかったな」
と言ったと思うとジャックは消えていた。
喪失感が残ったまま目が覚めると6時半だった。