みちばたの花

あれが幸福だったのだと気がついて戻っても、そのときは既に散っているか、持ち去られたあとである。
いっそ気がつかないか、忘れ去れるなら、どんなに気がらくなことだろう。しかしながら、精確な知覚と貪欲な記憶こそ、まさに私がこれまで求め、培ってきたそのものである。ならば、これも宿命として受け入れるほかないのか。