殺シ屋鬼司令II

世界一物騒な題名の育児ブログです。読書と研究について書いてきました。このあいだまで万年筆で書く快感にひたっていました。当ブログでは、Amazonアフィリエイトに参加してリンクを貼っています。

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成仏できないヒポクラテス

「選択の自由」を読んでいます。
専門職の労働組合やギルドの起源の例として、古代ギリシア医者たちの相互協定が取り上げられています。現在でも「ヒポクラテスの誓」として受け継がれているものです。
誓は、ヒポクラテスの弟子たちが定めたものでした。意欲ある者は、金を払えば、誰でも、ヒポクラテスから医術を教えてもらえました。弟子たちは、師の死後、自分たちの競争を律するために、協定を結びました。フリードマンは、この宣誓の中に、師の意志とは外れた条文のあることを指摘します。閉鎖的な組合と、分業の発生です。

医学校の新しい卒業生がヒポクラテスの誓いに対する宣誓を行うたび毎に、ヒポクラテスは墓場の中で成仏できずに身をよじっているのではないかと、われわれは想像してしまう。

これは誤訳です。フリードマンはおそらく、仏教徒ではありません。だから上のような想像はしてしまいません。また、仮にフリードマン仏教徒であるとして、ヒポクラテスもまた仏教徒ではありません。ヒポクラテス仏陀はほぼ同時代の人だと思います。同時代に遠く離れた地で発生した宗教が伝播し到達するというのは、ありそうもないことです。
ただし、おそらくは仏陀ヒポクラテスアーリア人で、鼻は高かったと思い、仏陀の絵を想像して描きました。アーリア人の鼻は、パトさんの写真を参考にしました。