夜中の冷蔵庫

人間の頭には入らないというものはありません。
入れてしまったものがときどきよみがえってくることがあります。忘れたかった楽しい記憶が、突然まぶたの裏に映り苦しむという経験は一再ならずあります。この作用をずいぶん長いこと、コンピュータがバックグラウンドでブゥーンと音を立てている様子になぞらえてきました。
コンピュータの作用に私の頭の中の出来事を重ねるというのはあまりうまいやり方ではありません。第一、ほとんどの人は、コンピュータの細やかな動きに対して知識がないどころか、この日常的な仲間、隣人、友人、あるいは恋人でさえある存在に対し一切好奇心を持つことすらしないことがよくあるらしいということを、私は次第に学んできました。この溝のようなものを私はどうにか埋めて話をしたいと考えました。
バックグラウンド作業の他の例として、深夜の冷蔵庫の音を持ち出すことを思いつきました。電化製品と呼ばれるものに対しても人々の知識の度合いはコンピュータに対するそれと何ら差はありません。しかし、最低でも、人々は今や冷蔵庫なしには生きることができない生活をしていて、みんな持っています。それは日常にあります。深夜、本を読んでいると、突然ブゥーンという音を立てて、自分を冷やす冷蔵庫に、どきっとすることがありました。
深夜は本を読む時間ではなく、眠る時間です。