「セックスはなぜ楽しいか」を読み性について考える

セックスはなぜ楽しいか (サイエンス・マスターズ)

セックスはなぜ楽しいか (サイエンス・マスターズ)

性の進化をやっている藻男として、ダイアモンドの語り口が参考になりました。さすがです。
「セックス」書でダイアモンドがあつかったのは、哺乳類における性の進化です。
一方、私が研究しているのは、哺乳類を遠く離れ、我々が一般に目にするいわゆる植物という陸上植物ともまたちょっと遠い、緑藻、という生き物の、精子と卵のお話です。
オスの藻とメスの藻をシャーレで混ぜると、精子が卵に泳いでいって接合(いわば「受精」)します。
接合中の藻を顕微鏡で観察しながら、何とはなしに思います。

  1. ひとつのシャーレの中に入っているとは言っても、接合の確率は、精子と卵の距離が近ければ近いほど高まる。
  2. 既に接合した卵に、別の精子が接合することはできない。

藻の観察を、勝手に人間の行動に当てはめます。

  1. ヒトが2人、近しく存在している (accompany)
  2. 双方ともにフリーだ or 浮気してもOK (available)
  3. 一方が好意を抱いている (affection)
  4. 一歩踏み出す (action)
  5. 相手が受け入れる (accept)

この5か条を満たした時にカップルが成立します。先の藻の観察1, 2は、それぞれヒトのカップリング条件の1と2に相当します。
藻の精子と卵の間の距離を、そのままヒトにあてはめました。ヒトでは、心理的な距離になると思います。当然、空間的な距離は重要です。いかに交通機関や通信技術が発達しても、遠距離恋愛というものが困難であることを思い起こせます。