禁則

書店に飲食物を持ち込んで店員に注意された経験がある。
おそらく多くの人が同じ経験をしている。私の場合は津新町駅の上の方の階にあった別所書店だった。小学生か中学生の時だったと思う。
注意されて考えてみると非常に納得がいく。「汚れるリスクが圧倒的に高まるから」だと思う。
飲食物ほど書籍を汚す可能性のあるものはペンキぐらいしか思いつかない。ペンキをコップに入れて持ち歩くことはほとんどない。われわれが日常的に接するもので書籍を汚す恐れのあるものとはまさに飲食物である。
飲食物によって汚された書籍は商品価値が急激に下がる。少しでも汚れていれば大幅に価値が下がる。新刊本が2つ並んでいたとしよう。1つはまっさらである。1つは汚れている。どちらを買うか。当然まっさらの方を買う。私なら稀覯書であれば汚れていても買う。そういう人はむしろ珍しいんではないかと思う。
「何を」かはわすれたけれど「注意されたらやめるということでいい」ということを糸井重里がどこかで書いていたはずである。私は注意された経験があるから書店には飲食物は持ち込まないようにしている。当然ながら違う店でも持ち込まない。ペットボトルを携行しているときは決してフタを開けない。

  • 書店に飲食物を持ち込まない
  • 書店では書籍を前にして筆記具でノートをとらない
  • 書店では内容をカメラ撮影しない

最後の項は観察によるものである。大学の書籍部で建築書の棚で建築書(写真集)を写真で撮影している人がいる。男も女もいる。おそらくレポートに使うのだろう。私はそれを非常に醜いと感じた。心から醜いと感じた。飲食物を持ち込むというようなリスクの問題ではない。万引きと同じ歴然とした犯罪である。その犯罪を罪の意識無くやっているということが圧倒的に醜い。