凧の実験

上のエントリで触れた、かつて私が訳したベンジャミン・フランクリンの「凧の実験」The Kite Experimentです。
2000年2月29日の日付があるようなので、少なくともその頃には訳していたようです。2000年2月、私は高校2年生でした。

ベンジャミン・フランクリン
10月19日、フィラデルフィアにて
今ヨーロッパで発行されている新聞では、フィラデルフィアの実験の成功が頻繁に取り上げられているようです。この実験は高層建築か何かに垂直に立てた先細の鉄棒で、雷雲から電気を引き込むというもので、よく知りたいと思っている知的好奇心旺盛な人がいるのももっともです。このフィラデルフィアで、同じ実験を、誰にでも出来るようなもっとやさしいやり方でやったらうまくいったので、以下にやり方を示します。
軽いヒマラヤ杉の木ぎれ二本を十字に組んだのを用意しましょう。*1これが骨組みとなります。木ぎれの一本の長さは、薄くて大きな絹のハンカチを広げたときの対角の長さになるようにします。それで、ハンカチの四隅を十字の四つの先端部に縛り付ける。これで凧の本体は完成です。
この本体に尾をつけ、麻の凧糸をつけて反対側に輪を作って持てば、紙でできた凧のように空を舞うことでしょう。しかし、この材質が絹であるということが重要なのです。絹は雷雲の中で水分と風をいっぱいに受けることができて、なおかつ破れないからです。
骨組みの縦軸の上側に、細くてとがった針金を取り付けて、骨組みから1フィート以上が上に突き出るようにします。麻の凧糸の手で持つ側には、絹のリボンを結びつけて、その結び目に、鍵をつけておきましょう。
この凧を雷雲が来そうなときに空高く揚げるのです。凧を持つ人は屋内、つまりドアまたは窓の中にいないといけません。そうでない場合は何かの屋根の下でもいいでしょう。そうやって、絹のリボンが濡れないようにします。 注意して欲しいのは、麻の凧糸がドアの枠や窓の枠に触れないようにするということです。
雷雲が凧に近づいてくるとすぐ、針金が電気を引き込んで、凧も凧糸も皆、帯電します。凧糸の繊維がいろんな方向に立つはずです。指を近づけるとその繊維が指に引き寄せられます。
そして、雨で凧と凧糸が湿ると、自由に電気を導くようになります。鍵にこぶしを近づけてごらんなさい。鍵から電気がこぶしにいっぱい流れ込んでくるのがわかるでしょう。この鍵から、ガラスの小瓶に電気がたまります。こうしてたまった電気で、アルコールに火を付けたりといった電気の実験が何でもできます。そういう実験は普通、ガラスの球か棒をこすってするものですけどね。
よって、前のフィラデルフィアの雷の実験と、この電気にかんする実験が、完全に同じであると証明されました。

原文はこちらにあるようです。
この実験については2003年に「捏造ではないか」という報道があるようです。

*1:訳注・この十字というのは、日本古来の凧にあるような長方形の対角線ではなくて、十字架のような形を想定しているのである