トフラー「富の未来」

人間の将来は明るい。

富の未来 上巻

富の未来 上巻

富の未来 下巻

富の未来 下巻

でも日本人の未来は暗そうだ。日本人はみんな安定を求めている。情報(IT)産業をやっているとはいえ「泥のように働け」だなんて、農耕時代と職業倫理がまるで変わっていない。
「衰退する道もある」だって? バカを言っちゃいけない。そんなことをいいながらヨーロッパはヨーロッパで危機に面しているし、それなりに突破口を模索してもいる。
日本なんて無為無策もいいとこだ。いつまでもお上に頼ってばかりいる。お上じゃ変化に間に合わないんだってば。やつらにスピードを上げるためのモチベーションなんて無いからだよ。なんでか? 日本人はなぜかみんなこのご時世に安定=公務員=大企業=俸禄を求めていて、それで大企業に勤めるやつらだけがすいすいと結婚をする。
職業倫理が時代遅れになってしまっていることが見えていない。農耕時代・工業時代に効いた従順勤勉が、情報時代におけるイノベーションの常態化に適合するのかよ。
というお話。
訳はとてもよい。注が巻末にまとまっている(補注になっている)のだが、傍注の方がよかったな。
ダイジェスト版みたいなのがあってこっちから読んだ。
アルビン・トフラー―「生産消費者」の時代 (NHK未来への提言)

アルビン・トフラー―「生産消費者」の時代 (NHK未来への提言)

でもこれはテレビ番組の書籍化なので、要約としてポイントを押さえているというよりは、テレビ向けの話題を拾ってつなげたものという色彩が強い。
というわけで上下巻700ページを是非どうぞ。上巻は「しかし、これはより大きな変化のごく一部に過ぎない」の繰り返しで「いつになったらコア出るんじゃい!」という気になるし、下巻はこれでもかと全世界にわたって事例を見ていくので非常にお腹いっぱいである。
人類史において、というよりもおよそ宇宙の歴史にあって「変化する」ことだけにおいて一貫している。変化について「安定している」といってもいい。であってみれば、変化から目を背けるのが怠慢である。