殺シ屋鬼司令II

世界一物騒な題名の育児ブログです。読書と研究について書いてきました。このあいだまで万年筆で書く快感にひたっていました。当ブログでは、Amazonアフィリエイトに参加してリンクを貼っています。

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傑物ブレンナー

このくだりはとても面白いですよ。

これは全くの余談ですが、さきほどのシドニー・ブレナー教授と一度ご飯をご一緒したことがあります。
六本木の某カニしゃぶ店でコースを食べたのですが、何品目かで甲羅揚げが出てくると、驚いたことにブレナー教授はカニの甲羅ごと、バリバリと食べ始めたのです。
招待主の黒川清教授が「あの、シドニー…それは日本人は食べないんだけど…」と説明すると
カニの甲羅はケラチンだよね。ということは、ツメとか髪の毛と同じということで…」
と、甲羅を構成するたんぱく質とそれを合成する分子生物学の話をしながら、結局甲羅まるごと、全部食べてしまいました。いやはや、これには驚きました。
その当時77歳だったと思いますが、全部自分の歯だということで、歯の自慢も聞きながらの「ケラチン」の解説でした。「ゲノム科学」の創始者は、(さすがにカニツメの堅いところだけは残したものの、それ以外は)カニしゃぶコースを、パセリ一つ甲羅一つ残すことなく、ゲノムと同様「まるごと全部」平らげてしまったのでした。
(…ああ、こういう原初的な生命力を持ったひとが、ゲノムみたいなことを考えついて、本当に実行してしまうのか…)
と、なぜかやたらと感心したものでした。

スナッチという映画で「豚は(ヒトの)髪と歯だけは食べない」という話がありました。

だから、ケラチンだから食べるというのは違うでしょう。
きのう歯医者に行って、左下の奥歯が虫歯でほとんどがらんどうになったので「土台」を入れることになりました。その土台というやつをちらっと見たら、なにやら金属のカタマリが置いてあった。おいおい、これじゃあまるで007に昔出ていた不死身の銀歯野郎じゃねえかよ。
きょうは、ニューロサイエンスとマーケティングの相田さん*1がこないだ言っていた仮説ドリヴンで研究をするような気分で作業をしました。

*1:追記2013/07/15 安宅氏の間違いだと思われる。