殺シ屋鬼司令II

世界一物騒な題名の育児ブログです。読書と研究について書いてきました。このあいだまで万年筆で書く快感にひたっていました。当ブログでは、Amazonアフィリエイトに参加してリンクを貼っています。

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第26回駒場進化セミナーで発表させていただきます

駒場進化セミナー主宰のお一人、総合文化研究科の土松さんから、来週24日に駒場キャンパスで発表する機会を頂戴しました。ありがとうございます。改めてここに告知させていただきます。

【第26回駒場進化セミナー】

日時:2009年9月24日(木) 16:00 - 18:00
場所:東大駒場キャンパス15号館104号室
タイトル:精子卵子の起源を探る:性決定染色体領域のゲノム比較で解く雌雄性の進化
発表者:浜地 貴志(東大院・理学系・生物科学)

【講演要旨】

交配型によって配偶子細胞のサイズが異なる異型配偶(卵生殖)は、配偶子細胞同士のサイズに差のない同型配偶の生物の中から、高等動物や陸上植物といった幾つもの系統群で独立に進化してきたと考えられる。中でも群体性ボルボックス目は三つの理由から雌雄の二極化を解明するためのモデルとなりうる:

  1. 近縁な単細胞緑藻クラミドモナスはモデル生物として有性生殖分子生物学的知見が蓄積されてきた
  2. 同型配偶と卵生殖の中間段階の生物が多く現存しており、交配型分化の遺伝子ネットワークを比較できる
  3. クラミドモナスとボルボックスでは、それぞれ片方の交配型のゲノム配列が公開されている。

我々は群体性ボルボックス目において、縮重プライマーを用いたRT-PCRによって性決定遺伝子ホモログを同定してきた。さらに、クラミドモナスとボルボックスの中間段階にある同型配偶2種・異型配偶2種それぞれ両性(計8株)のBACライブラリを作成し、特に性決定染色体領域にコードされているであろう「交配型分化の鍵となる遺伝子群」を、性決定染色体領域配列の決定と比較によって探索している。本発表では、これまでに見出された交配型分化関連遺伝子ホモログの知見をもとに、雌雄の二極化をもたらした分子細胞生物学的な基盤について議論したい。

会場へのアクセス、過去のセミナー要旨など

http://dolphin.c.u-tokyo.ac.jp/~dobatan/komevo/
で見ることができます(リンク先がサーバー不調で不安定になっています、申し訳ございません)。

私のいる理学部生物学科には生物科学セミナーというのがあって、多分WWII後ぐらいからはじまったものであるはずですが、その何十年前の目録を見たことがあります。そこには、中立説の木村資生博士をはじめとする錚々たる面々が名を連ねていました。駒場の土松・土畑両氏が立ち上げたこのセミナーも26回を数えたということで、いままさに新たな、そして確かな伝統への挑戦が進行しつつあるのだと思いますが、そこに加わることが出来るのは身の引き締まる思いがします。
全力でぶつかりたいと思います。