80年代ヒットソングのコンピレーションが出る理由

高校生の頃は親に車を運転してもらって出かけたものだった。その時にカーステレオに入っていたのは、MEGA HITS 80'sという、80年代の洋楽ヒットが纏められた一連のコンピレーションアルバムCD集だった。私もそれを気に入っていた。普段から自分の部屋のステレオにも入れて楽しんでいた。受験勉強の伴だった。
私が聴いたシリーズは、12枚程が一組になっていた。どうやら、それぞれレーベルが異なるようだった。
能動的に楽曲を購入して聴取することは殆ど無かった。今に到るまで人と音楽で話があわなくて苦労することが多い。耳の暇は80年代ヒットソングで充分紛れていた。10歳ほど年上の、従兄らと同じ音楽に親しんだことになる。ちなみに、大学に入るまでシッカリ読んだ漫画といえば、これも従兄たちからおさがりでもらった銀河鉄道999と、受験のために役立つと評判だった『あさきゆめみし』だった。
さて一昨年、マイケル・ジャクソンが逝った。ツイッターのタイムラインにも、マイケルの楽曲映像へのリンクが溢れた。
私はほとんど聴いたことがなかった。
そこで疑問が浮かんだ。
なぜ私はマイケルを知らないのか?
なぜあのコンピレーションアルバム集にマイケルは入っていないのか?
もちろん、マイケル・ジャクソンの活躍期間は非常に長い。しかし、80年代には「スリラー」があり、その他、不動の頂点にあった、はずだ。それがなぜ「ヒットチューン」として収載されていないのか。
……という問題を思い浮かべた瞬間に、私の答えは出た。マイケル・ジャクソンは自分だけでオリジナルのヒット曲集ができる。そして、それを消費者が買う。
一方、ただのヒット曲は、そのアーティストがヒットチャートを登りつめた数少ない曲なのではないか。極端にいえば、ヒットについては一発屋でしかなかったのではないか。
レコード会社は楽曲を売る権利を持ちながら、時間と共に単品で買う人は少なくなっていく。なんとかして自分の持っている権利を最大限に活用すべく、各社共同でそれぞれ所属するヒット曲をコンピレーションアルバムにまとめ、持ち寄って通販で売っていた(いる)のではないか。
こう考えると、不朽の名曲などという謳い文句がバカバカしくなる。ただ、そのシリーズを聞くのをやめるわけではない。これまでに馴染んだ時間はちゃんと曲を覚えていて、ひとつひとつに浮かび上がるイメージがある。