読んでおかないといけない科学の本を、あらためて考えた

有名な『ブラック・スワン』の著者が『ブラック・スワン』以前に書いた本です。私自身が『ブラック・スワン』を読んでいないので紹介するのは避けました。表裏一体の本であると思いますが、『まぐれ』は一巻本ですので紹介しやすいと思いました。
人間が「予測する」ということの限界を、これでもかと突きつけてきます。希望はその風景の中で探していくしかないのです。
桜吹雪の前に黒鳥が舞った3月も終わります。この本から読んでみてください。
ミトコンドリアが進化を決めた

ミトコンドリアが進化を決めた

こちらは以前も紹介しました。
人間を含む多細胞生物に、なぜ死がビルトインされているのか?
なぜ我々は死ななくてはいけないのか?
ごまかしではない、根底的な考察が展開されています。人間の文化や制度というものが、気候や風土に影響されてしまう。ニッポンという国土もまた、豊かな四季と、時に甚大な被害をもたらす災害を受けやすい自然地理的環境にあることも、『銃・病原菌・鉄』が切り開いた数万年単位の視座から捉え直さなくてはいけません。
生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波文庫)

生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波文庫)

シュレーディンガーの後50年間で、実際のDNAがどう働いているのかは非常に精細にわかってきました。それを『DVD&図解 見てわかるDNAのしくみ (ブルーバックス)』は模式的に美しく映像化しています。こちらも必見です。
ちなみに『生命とは何か』というような題の本は他にもありますが、今でいう非線形科学です。これには、特に学部生は、耳を傾けるべきではないでしょう。そこには新しい科学の萌芽などは(大抵の帯が喧伝するのに反して)ほとんどなく、ただ何十年間も使い回され手垢にまみれたトピックがまとまりもなく出ているばかりです。
シュレーディンガーのみがホンモノです。
生物から見た世界 (岩波文庫)

生物から見た世界 (岩波文庫)

生物は種によって、知覚した像が全く違う。という当然のことを書いているにすぎないのでしょうが、しかし、そうした当然のことすらも、いったいそれがどういうことなのかは、人間としてただ20年生きていても想像することすら難しいのが実情です。たとえヒト同士であっても、他者と向き合い、議論しようとする態度をもちたいと決意する人がこの本を読まないということは、とてつもない怠慢です。