書店に行くと、一般向け*1科学書の文庫化が目白押しでした。
ミラーニューロンの発見―「物まね細胞」が明かす驚きの脳科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: マルコイアコボーニ,Marco Iacoboni,塩原通緒
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/07/08
- メディア: 文庫
- 購入: 5人 クリック: 14回
- この商品を含むブログ (13件) を見る
- 作者: ローワンジェイコブセン,Rowan Jacobsen,中里京子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2011/07/08
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 17回
- この商品を含むブログ (13件) を見る
前者は、いかにもアメリカノンフィクション的な、記述水増し感が漂っている。
ハチにせよ、先月の「ランド 世界を支配した研究所」にせよ、以前のゲーム理論にせよ……著者が「誰かの研究も含めて紹介している」のではなく「自ら問いを追究している」という点で、強い本になっていると思います。
- 作者: アレックスアベラ,Alex Abella,牧野洋
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2011/06/10
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 11回
- この商品を含むブログ (11件) を見る
- 作者: トムジーグフリード,Tom Siegfried,冨永星
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2010/09/03
- メディア: 文庫
- 購入: 15人 クリック: 132回
- この商品を含むブログ (32件) を見る
著者が問いを追究しながら書いた本では、素材となる研究のひとつひとつに生命が吹き込まれ、興奮に満ちている。テーマに沿った話題を本を単に並べた本では、いかにその話題そのものが科学的に価値があろうが、どれだけキャッチーで専門をバックグラウンドにしないひとの目を引こうが、本としてはキラメキが落ちてしまう。読んでいてつまらない。
*1:専門知識を要求しない、ということ