殺シ屋鬼司令II

読書と研究について書いてきました。最近は万年筆で書く快感にひたっています。当ブログでは、Amazonアフィリエイトに参加してリンクを貼っています。

卒論・修論発表の評価をグッと上げる「一夜漬け」スライド改善案×3

卒論・修論発表3つのポイント - アメリカポスドクの歩き方という記事を拝見しました。
「切り抜ける」というところに焦点を当てるのが、非常に正しい姿勢だと思いました。
私も、自分が後輩の発表を聞いていて思ったことをまとめてみます。


コンセプトは「一夜漬け」。

いよいよ明日は発表。
慣れない研究発表が不安なら、試しに、次の3つを確認してみてください。
独断と偏見で並べました。

1. スライド見出しは文章にしよう/キーセンテンスはスライド上部に置こう

発表中、スライドを繰っていって、燦然とスライドのてっぺんに輝く

背景(1)

の文字。あちゃー。

スライドの見出し(スライドの上部に大々的に出ている文字)を「背景」「材料」「手法」「結果」「考察」にするのは、自分の研究をアピールするチャンスを逃していると思います。

みんな同じ形式で研究を進めているわけだから、逆にわざわざ書く必要はありません。スライドのスペースは限られています。余計なことは表示しなくていいです。

それから「やった実験」の名称を書くのも、改善の余地があります。

ウェスタンブロット

蛍光顕微鏡

と見出しに表示している。しかし、重要なのは、あなたがウェスタン/蛍光観察をやったことではない。

「そのデータがいったい、どういう科学的知見を支持するのか」ということのほうが、ずっと重要です。

だから、「結果」や「ウェスタンブロット」のような「単語」ではなくて、「文章」であるキーセンテンスを見出しにしたほうがずっといい。
有名な研究を例にとれば、例えば

デオキシリボ核酸は二重らせん構造をとる

と、「見出し」に書いてしまう。

その下にデータを表示する。二重らせんならX線回折像の写真がデータとして貼り出される(※これは単純化してます)。もちろん、1953年当時はPowerPointはなかったわけですが。

「科学的知見」が、データにサポートされて、提示される。これが科学のプレゼンテーションの全てです。

また、スライドの下部に、結論のようにキーセンテンスが提示されることもよく見かけます。発表会場は前の人の頭が重なるので、最重要なことは上部に配置するというのがセオリーです。

だから、最上部、つまり「見出し」としてキーセンテンスを表示するのが最も望ましいわけです。

2. 同じような図(手法)がくりかえし出るときは位置付けを明確にしよう

データが大量にある人は、今度は、個々のデータが個別に何をサポートしているかはわかっても、全体像を掴んでもらうことが困難になってきます。

論文などを読んでいても、「免沈の嵐!」というような、大量の免疫沈降データが並んでいるのがあります。
「えーと、これはどのタンパクとどのタンパクの、どういう生理条件下での相互作用なんでしょうか……」と頭を抱えることがときどきあります。

そうしたとき、論文では、読みなおすことができますから、まだいいですが、口頭でのスライド発表には、なかなか頻繁には戻ることが出来ないと思います。

だから、

「さっきの図と似ている、また**の結果だ……」
「何が違うんだろう?」

という恐れのある時は、

「全体のストーリーの中で、この図はどういう意味を持つんだろう?」

ということを、ほのめかすような「みちしるべ」があると、聴衆の理解が飛躍的に向上します。

Keynoteの「マジックムーブ」は、前後するスライド間で、オブジェクトを移動・大小等操作することができますから、応用出来ます(でもこれは一夜漬けでやることではない)。

3. 遺伝子・学名などの細かい表記ほど直そう

分野によって、イタリック(斜体)やキャピタライズ(語頭を大文字)というお作法は、全て異なります。研究をしてきたなら、そのお作法をよく知っているはずです。

そうしないと先行研究を理解できないからです。

gonium pectorale という学名がローマンで、しかも属名がキャピタライズされずに出ていると面食らいます。 Gonium pectorale、そしてその後の文中では G. pectorale と、略称しています。

全角と半角、それからいろいろなフォントがワケもなく混在しているのも、幼稚な印象があります。

前日の段階ほど、普段よりも細かい部分に気を使ってみてはいかがでしょうか。

もちろん、大前提は

  • 大きな声を出す
  • 練習する