家計簿
日本という国はとても便利ですが、家計簿をつけて出費を管理するとなると、とたんにハードルがあがります。なぜなら、
- 記録するのを忘れやすいもの(自販機とかコンビニ)が多い
- コンビニはさらに鬼門で、いろいろな費目がごっちゃに買えてしまう
- そもそも回数が多い
ということだと思います。
私にとって日本で家計簿をつける試みは失敗の連続でした。
日本では「買えてしまう」ことがとても怖い。
無精者という言い方があります。単に仕組みを作ることができていないだけなのですが、じゃあ仕組みができないかといって、単純に仕組みが空回りするような路面になってしまっている。
スケートリンクの上を自転車で走ろうって言ったって無理なわけです。
日本を離れてからどれだけ自分が出費したかをあとで公開すると、今後研究で渡航する方々の参考になるだろうと思い、出費を計算しています。どの程度の期間でどれほどの出費になるか前もって予想がつけば、渡航資金の工面もつき、金策に頭を悩ますことはなくなるだろうからです。
いま出費を記録して3ヶ月が経過したところです。ソフトは、Google Driveのスプレッドシートにある、アンケート集計フォームでやっています。
費目は
- eat out
- grocery
- transportation
- service (家賃・光熱費・通信費)
- other
としてある簡単なもので、これをドロップダウンリストで選択して、どの店でいくら買ったか(何を、は入れない)、さらに現金かカードか小切手かののドロップダウンリストがあって、備考、だけの簡単なものです。
上で日本のコンビニでは何でも買えてしまうのが怖いといったのはここで、費目がクロスオーバーしすぎる。とたんに更新の意欲を削がれます。
私はこのスプレッドシートをいくつかのグラフと数値に出力して、自分の出費が積み上がっていく様をこわごわ眺め、外食:自炊比率の一進一退の攻防に手に汗握り、また一日あたりで計算した出費が低減していくのをにやにや見つめています。
思うに「現金出納帳」のようなものが、私にとって日本でうまくいかなかったのは、事業者ではないので入金が頻繁ではないこともある。
『男の本格節約術 — 5年で1000万円貯める52のノウハウ』を読んだ - portal shit!で紹介されていた「貯金の残高を記録する」というのは、うまいやり方だと思った。それで、取り入れた。
つまり
- 出費は、日毎に積み重なっていく様子をグラフにする
- 残高は、総計の推移をグラフにする
というところで進んでいる。
自炊
同様の経験をいま、自炊でしている。
18の春に上京して以来、何度も試みながら自炊が定着したことがなかったのが、昨年10月に日本を離れて自炊をして、これまた3ヶ月が経過した。
きわめて事情は単純であって、作らなければ、死ぬ。
作っている限り、生きてはいられる。
さらに自炊を助けているのが、キッチンと冷蔵庫の大きさである。
日本で住んでいたのはワンルームの、自分の体の幅ぐらいしかないシンクと、1口のコンロでした。
当然、調理するような台もなかった。
いまはもう、とてもよくて、コンロは4口あるし、冷蔵庫はたっぷり入るのが置いてあった。キッチンは広々としており、包丁を使うのにも十分なスペースがある。
しかも食洗機まで据え付けてある。しかしこれは「洗浄」には使わずもっぱら出かけや就寝前に洗い物を置く「乾燥棚」になってしまってはいる。
ブラックキャップさえ欠かさなければ。
操作可能性に照準すること
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CODEの4つの制約、つまり
- 「規範」
- 「市場」
- 「法」
- 「アーキテクチャ」
を頭に思い浮かべながら、これはやはり重要だなと思う。
これらは「社会」がもつ「文化」あるいは「ひと」の「習慣」(e.g.雪でも出社しろ、家計簿が続かない)そのものであるか、ベタに決定する。
逆に言うとその制約を分析的(「文化」や「習慣」の4制約各項目への対応関係を、腑分けする)に記述せず、各々の変更のプロセスを明示・意図しない「主張」というのは、効果がうすい。
ここで述べてきたことというのは「アーキテクチャ」に目を向けようということになる。