学術上の作法の基本のひとつはよく定義された一群のことばである術語を使用することである。また、ひとつの分野の中では語用にブレがあってもいけない。近接する分野ではブレが出てくるのは仕方のないことである。
この術語に親しむために、日本語と英語を対照する「学術用語集」が各分野で策定されて公刊されている。オンラインでも利用することができたが、それがhttp://sciterm.nii.ac.jpのように2013年6月27日現在、無期メンテナンス中に入っており、利用できないことは大きな損失である。
- 作者: 文部省,日本植物学会
- 出版社/メーカー: 丸善
- 発売日: 1990/03
- メディア: 単行本
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自分たちの分野の重要な文献を分担翻訳する機会のあった場合に、確実にその任を果たすことができること
であると先輩が教えてくれた。各人の勉強のためというよりもどちらかというとニンジャの修行のようなものであったわけだ。しかし、その作業は明確に各人の勉強のためにも結果として充分成立することに注意せねばならぬ。また、この作業は「翻訳」ではありつつも、日本語で各種の専門文献を執筆する際にも訓練となることは明らかであろう。
この輪読の作業の中で必携せよと言われたのが学術用語集である。術語を含む文章を確実に翻訳するためである。英辞郎は語彙は多くカバーしているし、必須でかつきわめて有用であることは間違いないけれど、術語のwobbleに対応できない。
今も原稿を日本語で執筆している最中である。オンライン学術用語集の欠失は実際大きな痛手である。
幸い、5月に日本に一時帰国した際に岩波の生物学辞典を一部求めて来、こっちまで持ってきたことで、これが実質的な学術用語集として機能する。
- 作者: 巌佐庸,倉谷滋,斎藤成也,塚谷裕一
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2013/02/27
- メディア: 単行本
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