殺シ屋鬼司令II

世界一物騒な題名の育児ブログです。読書と研究について書いてきました。このあいだまで万年筆で書く快感にひたっていました。当ブログでは、Amazonアフィリエイトに参加してリンクを貼っています。

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うなぎをいま食べるという意思決定は正常性バイアスではないのか

今週のお題「2013 日本の夏」
うなぎが大変なことになっているのは知っていると思うし知らないと正直ヤバいよ。
ニホンウナギがどれぐらい終わっているのかについての図 - Muchonovski always get it wrong
おそらく今スグうなぎを食べるのを止めるのが正しいことだろうな、と思いはします。
ただ、自分としては、逆にムチャクチャ違和感があるわけです。
なぜここまで来て「即時全面ウナギ取引停止」ということにならないのか、と。
ここで陰謀論に傾くのは簡単なんですが、その前に社会心理を論じるときの「正常性バイアス」のことを考えてみるのが穏当に思えるのです。

自然災害や火事(山火事、放火など)、事故・事件(テロリズム等の犯罪、ほか)などといった何らかの被害が予想される状況下にあっても、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」などと過小評価したりしてしまう人の心の特性
wikipedia:認知バイアス - 正常性バイアス

これに該当するということではありません。それこそ、また別の認知バイアスであるところの「後知恵バイアス」である可能性もあるわけです。尤も、データを見る限り後知恵バイアスである蓋然性は低そうです。
あなたはいまうなぎを食べる、あるいは食べないという判断をどういう根拠にもとづいてしていますか。
ーーーおいしいから。
ーーー土用の丑の日に。
ーーースタミナが。
ーーー乱獲が進んでいる。
ーーー高い。
ーーー稚魚が減っている。
ーーー親魚が減っている。
ーーーもしヤバかったらもうとっくに食べられなくなっているだろう(だから大丈夫だし、自分の責任ではない)。
私がいま問いたいのは、最後の一件です。
あなたはその判断を、いつかどこかでしたことがありませんか。
誰かがその判断を、この2年強の間に、どこかでしたことがあるのではないかと思いませんか。

禁鰻という選択肢

正直なところ、私は、うなぎを食べたいから食べるという人を止められません。私はうなぎが大好きでしたし、危機的状況を知らずに近年まで食べていた人間です。そしてそれを恥じています。
しかし私自身は今後当面うなぎを食べないという誓いを立てました。禁鰻の誓いを。
いまうなぎを食べるということは全世界のうなぎを危機に晒し、未来永劫その享受を阻むということを意味するということのほうが、妥当です。
ほんとうに、それをあなたは望みますか。