殺シ屋鬼司令II

読書と研究について書いてきました。最近は万年筆で書く快感にひたっています。当ブログでは、Amazonアフィリエイトに参加してリンクを貼っています。

とらドラ!

基本的には大河の可愛さ、特に序盤の「大河、だって」の愛らしさで全話見て全巻読み通すことになった。
けっして主人公が異世界で戦うとかタイムリープするという物語ではなく、高校二年生の日常が一年間進行していくという点ではきわめて普通のシチュエーションである。ところが普通のラブコメとは構造は逆転していて、主役の二人が既に一緒にいるところからはじまり、そしてお互いの関係を、本人たちを含めて全員に承認された状態に持って行くところがこの物語のクエストになっている部分は日常が舞台でもしっかりしたファンタジーなのだと思う。またメインキャラクターの異能も、そしてちゃんと各人の弱点のアキレス腱も機能している。
このクエストにおいて第一のルールになっているのが、キャラクターが自分の内心とはいつも逆のことを他のキャラクターに伝える。ツンデレが典型的であるが、ツンとしてそっぽを向くのでなくても、例えばフレンドリーでも、同じように内心は言わない。
注意が必要なのは、キャラクターが自分の内心を時に知らない。それは主役二人である。
この不整合をもどかしさとして読者視聴者に訴えながら、ひとつひとつ解消して行くことが鍵になって結末を迎える。ドラマのきっかけになるのは容姿や役割であったりする中で、最後の障壁となり、しかももっとも鮮やかな解決になるのが進路と家庭事情の相克であった。
というのは彼らはいくつかのバッドエンドを踏みそうになっている。

  • 大河と竜児が離れ離れになる
  • 大河が死ぬ
  • 竜児が大学に行くために泰子が過労で体を壊す、最悪の場合死に至る
  • 泰子の希望に反して竜児が就職する
  • 大河と竜児が駆け落ちして逃避行して生きていく

これらはどれもバッドエンドで、しかも作中で実際に踏みかけている轍だった。トゥルーエンドとして到達したのは、何か特定の進路を提示することではなくて、第一に自身周囲を問わず相互に了承ができているうえで、どの進路を取ってもよいというかたちだった。
この場合に見逃せないのが高須実家の役割で、最後の最後で登場してそうした問題がほぼ一挙に解決するんだなと思った。そして、この状況というのは進路を考える家庭で少なくなく実際にあることだろう。 
ブコメの最大の課題はとりもなおさず主役の二人がどのように互いに好きになっていくかで、そこはまずくっつけてから単純接触効果だったとする身も蓋もない解釈を思いついてしまった。これはシュタゲも結局そうだったのだろうか。
細かいところでは、とらドラのあーみんみのりんは髪の色は逆だけどまどマギの杏さやになっているんだと思ったのと、眼鏡の女の子がなかなか出ない中でスピンオフの方で会長ニキが満を持して眼鏡で登場して暫くの時間凝視してしまっていた。