殺シ屋鬼司令II

世界一物騒な題名の育児ブログです。読書と研究について書いてきました。このあいだまで万年筆で書く快感にひたっていました。当ブログでは、Amazonアフィリエイトに参加してリンクを貼っています。

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スタノヴィッチ『ロボットの反逆』

SFでもロボット工学の本でもない。認知科学をベースにした、合理性の捉え方の本だ。

『ファスト&スロー』で有名になったシステム1とシステム2の二重プロセス理論や、『利己的な遺伝子』の複製子をベースにした解釈、そして進化心理学のような、散々こすられまくって今では当たり前になった話に対して、「自然主義の誤謬」でカタが付きそうな議論が続いて正直投げ出しそうになったのだが、最後2章になってミームを論じ始めて自然主義ではカタがつかない領域に入り、俄然面白くなった。

ミームというアイデアを単に面白がるのでもなく、否定するのでもなく、正面から受け止めて論じるのは心理学の面目躍如という印象だ。

Kindleで読んだが、大量の訳注が付いている。様々な概念が丁寧に解説されていて勉強になった。既訳書での訳語の批判的検討も行われており既訳書の読者にとっても決して無意味ではないと思う。ただ、本文が「本文段落→その訳注→次の本文段落→その訳注→……」となっているのはいいとして、「原注」が巻末にまとめてついている。それなら「本文段落→そこの原注→そこの訳注→次の本文段落→……」と進めていったほうが良かったのではないかと思わなくもない。

thinkeroid.hateblo.jp
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