7年ぶりに戻った*1ラボは、以前から残っているのはボスとあとひとりだけで、そのひとりも院生から企業のインターンを経てポスドクになっていた。
しかし備品やそこで運営されている試薬・培地のセットアップはほとんど同じで、まるで2016年に去った翌日にふつうに出勤したかのような感覚が少しだけあった。とはいえ、かつてのそして今の職場の建物の横を歩きながら、逸る気持ちと不安な気持ちとを、その7年前の感覚を補助線にして、落ち着かせようともしていた。
7年、日本にいて、自分がなにをやったのかといえば、後ろめたい気持ちもある。
それでも7年間なにかはやった。まず結婚をしたし、子供ができた。プロジェクトも色々やった。なにもなかったわけではない。
わたしはある日研究所を離れ、翌日その研究所に戻ってきたときには結婚をして子供ができていたという、意味のわからない経緯にも思える。
出勤初日、わたしは人事関係の手続きをやった。Paycomという人事ポータルが導入されている。これを利用して、氏名住所生年月日銀行振込ソーシャルセキュリティーナンバー等々もろもろの入力をした。
しかしそのとっぱじめで躓くことになった。
というのはそのポータルへの参加にSMS認証が必要で、そしてSMSの番号が人事に渡っていなかったというか、そもそも自分が米国のSMSを持っていなかったからである。
また、オンラインバンキングのSMS認証でも問題が発生して、SMS番号をリセットするためにサポセンにかけたりした。Ally Bankというオンラインバンキングをボスから勧められて使ってみた(リファラルでキャッシュバックとかはない銀行だった)。このオンラインバンキングが入れないと半月おちんぎんが入らないといわれて必死になった。バンカメとかを開こうかと思ったのだが調べてみると口座維持手数料が月に数ドルかかるとあり、バカバカしくてなんとしてもサポセンで解決しなくてはと思った。
しかしこれも、前回の渡米においてSSNを取得していたから比較的スムーズに進んでいるとも言える。採用・就職にあたってはSSNは前提されている。SSNは、渡航してから10日しないと取得できないということらしいのだが(人事のメールにあった気がする)、また働き始めるためにもSSNが必要であるため(人事のメールにあった気がする)、つまり本来であれば渡米から最短でも10日しないと働けないという意味となる。
SSNは生涯1個であると理解しているし、ボスに確認したがそうだと言っていたのでそうだろう。
ただ、そもそも年末年始を挟んでいるため、10日だろうがなんだろうがしばらく働けないのは違わなかった。
*1:実はその1年半後に一度コンファレンス主催になっていたので訪れている。