殺シ屋鬼司令II

世界一物騒な題名の育児ブログです。読書と研究について書いてきました。このあいだまで万年筆で書く快感にひたっていました。当ブログでは、Amazonアフィリエイトに参加してリンクを貼っています。

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#英語多読 のはじめかた

多読について検討しているということを、前の記事ですこしふれた。

 

多読の全体像

多読というメソッドの全体像をつかむにはこの本が手軽だ。

英語多読法 やさしい本で始めれば使える英語は必ず身につく!(小学館101新書)

英語多読法 やさしい本で始めれば使える英語は必ず身につく!(小学館101新書)

この『英語多読法』のキンドル版は2019/01/09まで50%ポイント還元セールをやっているらしい。

要するに……この本のサブタイトルの

やさしい本で始めれば使える英語は必ず身につく

ということの通りなのだが、じゃあどれだけ「やさしい」のか?

それは簡単で、

子供向けの本

である。絵本であり、読み物である。

それは日本語を人生で最初に身につけたひとでもまったく同じだ。子供は簡単な本から読んでいく。

多読の教材

このための教材は英語でもたいへん豊富である。OxfordやPenguin、Cambridgeなどさまざまな出版社から子供向け・初学者向けの非常にわかりやすい初級英語で綴られた本がたくさんある。

こういう教材はユーモラスで、ドラマティックな演出も巧みである。さらに、「Level 1」のように進度別に分類されていて、数字が上がっていくにつれて徐々に表現や単語が高度になっていく。こうしたものは、Graded readersとかLeveled readersという名前で呼ばれている。

多読教材は、たいていは薄い。ただ、問題は、厚みに対してやや割高であることだ。「多」読と言っておきながら、量がこなせないのでは本末転倒だ。

多読の入門には、無料で200冊もの教材を読むことができるOxford Owlをまず試してほしい。

Oxford Owlには、Oxfordのleveled readersであるOxford Reading Tree (ORT)という、絵本教材とも言ってよいシリーズが多数収録されている。

ORTは絵本であるから文章は簡単だが、実際にそれをちゃんと楽しもうとすると、絵をすみずみまで読み解く必要があり、大人でも結構楽しかった。

さらにOwlサイトでは、Audioの再生までできる。

ORTはLevel 1から始まっているのだが、文章が出てくるのはLevel 1+からだ。私はそこから読み進めている。

登録は

を見るとよい。

OWLの代替案としては公立図書館の多読コーナーがある。いま私の最寄りの図書館には英語多読コーナーがあって多数の教材が揃えてある。これをかたっぱしから借りていけばいいわけだ。

正直なところ、多読教材は基本的に個人で買うものではないなと思っている。購入するにしても、数人で出資する仲間を募ってやるべきだろう。

まず、それはひとつの望ましいルートであるにせよ、最終的な到達地点ではない……通り過ぎていくべきものだ。そして、一般の英語の原書を買ってどんどん読んでいったほうがいいと思う。もちろん「特に思い入れの強いものをいくつか手元に置きたい!」というときには、この限りではない。

多読の効果

自分も文献的な検討段階ではある。しかし多読というアプローチはさまざまな大学の一般教養課程の英語の単位でも積極的に採用されているし、私も前向きにコミットし始めている。そして、おそらくその結果・成果のような手ごたえを感じている。

論文や英語書籍を読むときの視線がスムーズになった。知らない単語やフレーズはさておいて、文章の流れのグルーヴに身を委ねるということが簡単になった。

そしてなにより、「あからさまに簡単なものから徐々に強度を上げていく」メソッドにプリズナートレーニングと共通するものがある。

英語と筋肉という違いはあるが、アイソレーショニストな、ウェイトや単語帳をいったん離れてどちらも実地の動き(英文)のなかでの機能向上を目指す。

従って某囚人勢にはたったひとこと「英語を子供向けの易しい本から読んでいくプリズナートレーニング 」というだけでわかってもらえると思う。焦ってレベルを上げすぎてはいけないことも同じなら、「だいたいこれぐらいが適正レベルでしょ」と入門者が思うレベルがだいたいステップ5(監獄換算)で、その前にこなしておくべきステップがかなりあるということも奇妙なまでに符合している。

自分もORTをOxford Owlで進めていきながら、多読の真髄は「1ページに3語くらいしかない本」から始めることだというのを納得している。私は大学受験のときも英語は単語や英文法や英文和訳だけでなく音読にも非常に力を入れてやったし、大学ではESS(英語会)に所属していた。三年半のアメリカ留学も経験した。それでもなお「1ページに3語くらいしかない本」に強い力のパワの解放感を感じている。自分が幼児になって無邪気に遊ぶ解放感、それはアカチャンの可能性だ。