日本人、あるいは日本語が「空気」に左右されやすいことは、しごく有名な話です。
本書は、単に「空気」を閉塞的なものとしてしりぞけるのではありません。「空気」に肯定的な意義をも認めながら、それでもなお閉塞性、つまり、一方向的な意見伝達を回避するために、どうやって日本語を用いればよいのかを探っています。
基本的には「敬語」を用いること、そしてある程度「饒舌」に語ることを薦めています。
敬語も饒舌も、立場のうえの対等、知識のうえの対等をそれぞれ意味しています。対等とは逃げ場です。余地です。余白です。