結論から言うと日本人医師で米国で診療している先生がちょうど運良く近くに着任されたので一も二もなくコンタクトを取りました。ありがたいことに先生は家庭医・かかりつけ医していただくことを快諾くださいました。この時、日本で打った子供のワクチンの記録にもとづいてPreschool(保育園)への登園開始に必要な文書を作成してくださいました。
先生は米国の地域医療の課題である格差と薬物依存などの関係を研究・実践のテーマとするのと同時に診療もしておられます。その課題のためでもあるのか、診療されている医療センターがやや治安が心配そうな地域で、先生のミッションではいわば最前線に自ら立たれているわけですが、ちょっと行くのに大丈夫かなと思いつつ何度か通いました。治安としてはかなり不安が少ない地域の病院に最近移られることを、しばらく前に当地の日本人会対象の医療情報講演会で述べていて、こちらとしてもかなりホッとすると同時に、あ、先生ご本人もだいぶ治安良くない地区にあることは認識してたんだ、そりゃそうだよね、と思った次第でした。
時系列的なことを言うと、渡米して職場で加入した健康保険サービスのサイトで、対応言語でスクリーニングできるわけなのですが、そこで日本語、と私の着任時点で検索したのですがヒットしなかったのですが、のちに子供のpreschool登園が近づいて書類が必要なこともあり家庭医を探した九ヶ月後の時点で一人の先生がヒットしました。なんだ! いるじゃん! と思ったのですがタイミングが良かったのです。逆にいえば渡米から九ヶ月間何もなくて本当にありがたかったともいえます。
米国のかかりつけ医の仕組みというのは日本の病院のかかり方とだいぶ違うイメージがあります。米国のかかりつけ医というのは、個人的には米国での医療システムにおけるエージェントとかポータルとかスーパーバイザー、代理人という捉え方をすることができるのではないかと思います。もっとも、かかりつけ医がスーパーバイズしてくれるのは治療過程・ヘルスケアの過程それだけで、それに付随する保険のようなことにはタッチしてくれないしそれは患者側で自分でやらないと仕方ないことのようでした。その部分はとても大変だなと思います。
日本でもかかりつけ医の考え方が広まりつつあるようですが、そうは言っても「各診療科」ごとにクリニックがあるというものではないかと思います。これはだいぶアメリカのかかりつけ医と違っていて、各クリニック・病院ごとにカルテが縦割りになっている感じで、だからこそ「お薬手帳」やマイナンバー保険証のような枠組みで共有が図られたりしているのかなと想像していますが定かでありません。