先日Apple Card利用者にGoldman Sachsとの提携でSavings accountが解説できるようになるというニュースがあった。
それがそこそこデカいニュースになっていたのは、おそらく、その利息だ。年利4.15%といわれる。
日本だとネット銀行である楽天銀行の普通預金口座の年利が0.1%だというのが注目されていたと思う。それでさえ、メガバンクの定期預金の何十倍と言われていたものだ。
楽天銀行の普通預金は利用しやすく、楽天経済圏のポイント利用とも相俟って存在感があった。私自身も日本に居た頃は楽天銀行をかなり利用していた。デビットカードも非常に使っていた。
楽天銀行に比べてアップルGSは実に40倍となる。日本のメガバンクの何倍か、などと考えたら、もはや天文学的な数字になるだろう。
しかし実は、このクラスの年利はsavings account自体でいえば必ずしもレアではない。今回ちらちらと調べてみた限りでも、また話題になっていたTwitterでも、5%前後の年利を叩き出すアメリカのネット銀行の存在は指摘されることが多い。ただ、今回のニュースは、Appleという世界最大の企業の知名度につられて、日本にもそうしたものすごい年利の存在があらためてクローズアップされたということだろう。
さてSavings accountというものに日本人はあまり馴染みがないし、私自身も今回の渡米でSavings accountを生まれてはじめて開設して利用している。Apple cardではないから4%はないけれど、かなりの高率だ。
Savingsと対になり、米国で生活する上で絶対必須なのはchecking accountだ。日本では当座預金といわれるが要するに小切手を振り出すための口座だ。こっちは、それでも利息が0.1%ぐらいあったりするが、savings accountにくらべたら受精卵ぐらいしかない。
Savings口座は決して定期預金ではない。定期預金は別に、Certified Deposit略してCDと言われる。「確定した預金」つまり定期預金ということだ。定期預金ではないので、いちおう、引き出しは随時可能である。
それで私も「クレカや家賃の引き落としがcheckingに発生する直前までsavings accountに突っ込んでおいたら利息ウハウハじゃねえの?!」と思って、なるべくSavings account側に預けるようにしていた。
その結果、SavingsからCheckingへの引き落としが月に何回か発生したのだが、ふと注意書きが目に止まった。
そこには、連邦の規制で毎月の明細サイクルの間のSavingsからの引き落としは6回までで、それ以上は1回につき10ドルの手数料がかかる、とある。
なるほど、落とし穴じゃないですか。しかし、合理的なシステムだと思う。要するに定期預金ではないが、半分定期預金みたいになっている、ということだ。
だから、結局は、基本的には月々に必要な金額をChecking Accountに入れておく必要はあるよね、ということになるだろう。
背景や関連記事
もちろんこうした利率は、ドル高の状況や2022年に起きている株式市場の動向と無縁というわけではなくて、金利が高いから円を持っているよりドルを買うし、また、株式市場の成長が元本の保証なしで年数%(諸説ある)と考えているのを背景におけば、「株持ってるよりドル買って貯金したほうが利息つくし元本保証されるじゃん」と考えて乗り換えたひとたちも多いのだろうと思われる。
だから逆に円で生活している日本人は、ドルを買おうと思っても高くて、結局以前のような円高状況とはいかない。生活のうえでもドル高は物価に直撃して大変だし、なかなか為替に手を出すのも怖いのだと思う。
このブログでは紹介していなかったが、留学を考える研究者という視点から、実際の海外生活経験・計画に根ざした為替の問題について考えていることを、寄稿した。
要するにドルコスト平均法っていうのがあるんですよ、ということだが、本質は、自分の生活がドルをベースにするのか円をベースにするのか、はたまたどっちかまだわからないのか、ということを、持っているおカネの配分として表現していたんです、それが自分の体験に根ざした「ポジション」です、という話だ。
2016年に帰国したときも、わたしはどこか、いつかまた米国で研究するのではないかという漠然とした予感もあって、2016年までの渡米において保有していた米ドルを、ほとんど日本円に替えることなくSMBC信託銀行プレスティアに預けていた。
プレスティアも日本の銀行なのでごくごく微細な利息しかつかなかったが、外貨定期預金にすると幾分利息が高い時期があって、しばらく行かないし、年利1%ぐらいになるから、生活費1-2ヶ月分くらいを試しに3年定期に入れたこともあった。それでも「ウヒョー1%だ」と思ったのを覚えている。
その後再渡米することになったが、これもタイミングが良く、渡米する1ヶ月くらい前に満期となった。そうしたことも勘案して渡米時期を決めていた部分は、ほんの少しだけある。