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ガリア戦記を読むと、カエサルの持っていた最終兵器が「橋」だったことがわかる。
なんかこう、カエサルは手に持った「橋」を振り回してガリア人やゲルマン人をボコボコにぶん殴っていたというイメージが湧くだろう。
第一のスキル・スピード
来た・見た・勝った、というぐらいだから、スピードが大事だというのは常識だろう。
ほんとうにカエサルは、攻めるとなるとものすごくはやい。
攻める、と決めたほとんど次の日かそれぐらいには、敵の前にあらわれている。
遠くにいるからといって油断していた敵はそれでもう震え上がる。
これが第一のスキルであるスピードだ。
第二のスキル・言葉
まずガリア戦記を読むとわかるのは、カエサルは敵とも味方とも徹底的に話している。
そして、ガリア戦記自体を書いた、そしてそれがローマ本国で熱狂的に受け入れられたということから、カエサルはめちゃくちゃ文章がうまかったということもあきらかとなる。
このあたり、第一次世界大戦の従軍記で名を馳せ、のちに第二次大戦でナチスに抵抗を表明する演説で英国を熱狂させたウィンストン・チャーチルとも通じるところがあるといえるだろう。
敵にも味方にも、また遠い本国の観衆にも、有効な強い「言葉」を持っていた。
これが第二のスキルである言葉だ。
そして、もし敵との言葉が尽きたときは、瞬く間に移動する。
第三のスキル・土木
敵との言葉が尽きるといっても、だいたいは敵が慢心している。
地形は、古来、地球のどこでも、戦争の最重要事項だった。
たとえば敵が「川は渡れまい」とたかを括っている。
川が自分たちの前にあるかぎりローマ軍は自分たちに手も足も出ないだろうと思っている。
そこに、当時の最終テクノロジーであった土木技術を備えた工兵を展開する。これが第三のスキルである土木だ。
古代ローマの土木がいかに優れていたかということは、街並みや水路や風呂などでも有名だろう。
これは直ちに戦場でも強力な兵器となったということが、ガリア戦記を読めばわかる。
逆に言えば、ガリア戦記という本は、ガリアという土地を巡っていろいろな部族と話し合いをしていたカエサルが、ときどき、「これほど見事な死亡フラグがかつてあったであろうか」という死亡フラグをおっ立てるいろいろな部族(ほんとうにテンプレそのままの死亡フラグを立てる。これも見事なまでである)に「やれやれ……」といって、翌日にはその敵の目前に出現して、橋が爆誕して、敵をボコる、という連続に見えてしまう部分が出てくる。
追記(突撃橋)
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— ultraviolet (@raurublock) 2022年6月1日
やはり突撃橋は強い
「突撃銃」とか「突撃砲」とか、「突撃○○」な兵器の名前はパワフルな印象を与えるが、中でもパワフルさで群を抜いてるのは、「突撃橋」だと思う
— ultraviolet (@raurublock) February 5, 2019
(写真はM104ウルヴァリン重突撃橋) pic.twitter.com/vucDTEvdBz