キンドル本がブラックフライデーセールをやっているというので、少しみてみた。
「最大80%オフ」という「最大」の幅は広い。最安値でソートするとKindle Unlimited本が出てノイズが多い。逆に、高い方は値引き率がおいしくない。根を詰めて安くていいものを探すシグナルノイズ比はよくない。
わたしは昔から書影を眺めているのも好きという趣味があって、こういう時間を時々すごしてしまう。
あまり時間をかけられるわけではないけど、とりあえず自分が前々から興味を持っている、生物の分野で96円セールだけでもみてみた。
そこには3冊、「柳宗民の雑草ノオト」が並んでいた。
これは15年ほど前に2冊シリーズとして出ていたものを、植物学を学んでいる最中の学生だった頃に買ったのを覚えている。のちに2冊おのおのちくま学芸文庫入りもしたあと、2年ほど前に季節ごとに再編されて春夏秋の3冊となったらしい。
冬はない。
柳宗民はNHK趣味の園芸のインストラクターとしても名が知られていた。2006年に亡くなっている。
名前から民藝運動の柳宗悦や、デザイナーの柳宗理の名を彷彿とさせるが、ご明察というまでもないが、宗悦は父、宗理は兄である。
雑草と敬遠される身近に生える草花をひとつひとつ取り上げて、イラストレーションや命名の由来から、原産の来歴、形態・生態まで、のびのびとしたエッセイにまとめられている。
96円かける3冊、都合288円はコーヒー1杯分である。即、買った。
秋というよりも冬に近くなっているが、来たる春を待ちながら読み進めるというのもいいかもしれない。