殺シ屋鬼司令II

世界一物騒な題名の育児ブログです。読書と研究について書いてきました。このあいだまで万年筆で書く快感にひたっていました。当ブログでは、Amazonアフィリエイトに参加してリンクを貼っています。

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電験三種に合格しました

2015年から勉強していた電験3種に合格することができました

電験三種は、第三種電気主任技術者試験の略です。
事業所の電気系統の管理者である電気主任技術者の資格試験のうちエントリーレベルです。

国家資格であるため、職業的な安定が見込まれ、ビジネス雑誌が勉強を特集するときなど、セカンドキャリアに向けた勉強のひとつの例として挙げられることも多いようです。

エントリーレベルといっても、その出題範囲は、けっこう広く、4科目あります。

  • 高校物理の電気の復習である【理論】
  • ダムや火力などの発電形態や送電にかかわるシステムを扱う【電力】
  • 電気を動力に変換するモーターやその逆である発電機など【機械】
  • 電気事業に関するきまりごとをおぼえる【法規】

そして、4科目すべてに合格点を取らなくてはいけません!
受験チャンスは年1回。

シビアです。

この合格には科目合格というシステムがあります。科目毎に合格が向こう2年引き継げます。

ちょっと気がらくになりますね。

たとえばわたしは2020年に理論と電力に合格していました。
このとき、2021年か2022年に残りの機械と法規に合格すれば、4科目すべて合格したことになるということです。

そして、今年2021年8月に、機械と法規を受験して、これらに合格点をとることができました!!!!

今回の受験でわかったことを自分なりにまとめておこうと思います。

それは、次の3点が大事だということでした。

どれもあたりまえといえばあたりまえですが……順番に見ていきましょう。

イメージをマンガでつかむ

参考書を読み込んで資格試験に合格したらペーパー電気主任技術者であるわけですが、そもそもその先の電気主任技術者には、日々の任務と実務というものがあるわけですね。

逆にいえば、電気主任技術者の実務をあなたはちゃんとこなせるのか? ということを試験で問われる、というタテマエです。

参考書には、項目を羅列してあっても、そうした実務のイメージはつかみにくいです。

わたしはそこを補うためにマンガを読みました。

これらのマンガは当然ですが、試験のための体系的な理解を目的とはしていません。

でも、試験で問われている世界・現場に、目線をあわせることができたと思いました。

実はわたしがこれらを読んだのは今年の試験前日だったんですが……

それでも、試験の問題を解くときに、マンガで読んだエピソードを思い浮かべることでとてもラクに得点することができたんですよ。

私はマンガを読みましたが、最近はYouTube全盛期なので、電気主任技術者の現場・実務を紹介するチャンネルもYouTubeにあるみたいですね。

過去問周回で出題の「太刀筋」を見切る

過去問は試験勉強のアルファでありオメガだ、というのは常識ですね!

常識だからこそ、再確認しておきたいと思います。

電験は、正直、公式から供給されているものが過去問とその正答(選択肢)だけ、というかなり縛りのきついプレイでもあります。

わたしは今回、二科目ということで集中することができたこともあって、過去問を10年分ほど2周しました。

1周目の最初は散々でしたが、問題を関連項目とともにおさらいすることで、点数が急上昇していきました。

頻出問題というのがあるわけですが、それだけではなくて、問題の「聞き方」とか、出題者の「発想」が見えてきます。

さて、過去問を解いて解答を読み込むとします。書店では過去問・解答解説集が売られています。

でも電験三種に限っていえば、過去問集を買うことは実はあまり必要なかったな、と思います。

あまり大きな声ではいえませんが、インターネット上に、さまざまな資格試験予備校が解説をアップロードしていますね。

わたしは視聴していませんが、たぶんYouTubeでもそうしたチャンネルがあるでしょう。

用語や数字は各個に暗記

参考書は繰り返し読みましたが、やはり過去問で太刀筋を見切る前と後では入ってきやすさが全然違いましたし、実務のイメージをマンガで少しでも掴んだことでいっきに「肉感」になったという感覚がしました。

わたしが読んだのは、これらの本の前の版でした。

それから、これはこの版で。

でも、これだけでは法規が絶望的に、個々の単語や数字を決め打ちで覚えるには自分には足りなかったのです。

こればかりは、イメージのようなふんわりとした把握では絶対に太刀打ちできない。

実はわたしは類語の中から正解となる単語を覚えるのがややニガテでした。でも、そこを押してでも覚える必要がありました。

数値も、あるていど理由があって定まっているものではありますが、法規である以上、とどのつまり、人間が決めたものです。

こうした状況に対して、単語カードを作るという方法もあったとは思いますが、その時間が取れませんでした。

試験3週間前に、電鍵の法規の単語暗記アプリがあるということを知りました。

このアプリを、3週間で10時間かけてこなしました。

StudyPlusの電験勉強記録

それでも覚えられないところだけ、表にまとめて、語呂合わせ方法をググったり自分なりにアレンジしたりして覚えました。

結果としては、合格点が60点のところを、機械も法規もおよそ90点(いずれも2問誤答)という好成績をおさめることができました。

以上、

  • 試験の先に問われることになる本来の「現場感」
  • 試験出題者の思考法とか「太刀筋」とも言えるもの
  • 畢竟、ひとが定めた法にすぎない語句や数値は「決め打ち」

という3点を、電鍵三種を例にして論じてきました。

でもこうした点は、電験にかぎらない、一般の資格試験勉強でも通用するところがあるように思います。

他に受かった試験……あれは受かるとかそういうものではないわけですが、TOEICのようなものも、要は、ひととひととのコミュニケーションの場に立てるかという現場感ですし、その太刀筋は公式問題集というかたちで供給されている。また、ごく基本的な語彙は覚えるしかない部分もあります。

公式問題集は最近8まで出ているようですね。

そして、公式問題集をベースに反復して読み込むことを方法論化したことで成功した例があり、わたしも大いに参考にしています。

共通して見える部分もある、ということです。