殺シ屋鬼司令II

世界一物騒な題名の育児ブログです。読書と研究について書いてきました。このあいだまで万年筆で書く快感にひたっていました。当ブログでは、Amazonアフィリエイトに参加してリンクを貼っています。

MENU

即読にまさる速読はない/構造化されたものだけが知だ

これらは、本を読み、知識を得ようとするときに念頭しなくてはいけないテーゼである。

「即読にまさる速読はない」

即読は勝手に作ったことばである。
関心が芽生えたら、すぐに手に取る。買ったらすぐに読み始める。*1
それ以上に、多く、よく、速く、読む方法は、あるまいと思われる。
また、あの、同じテーマに沿って読む方法(シントピカルリーディング)も、このバリエーションであることを明察されることだろう。
これに関連して、もうひとつのテーゼも同様に考えることができる。

「構造化されたものだけが知だ」*2

多く読むことの必要を改めて説くべきだろう。多く読むとは、つぎの三つの場合に分たれる。

  1. 同じ著者のものを系統的に読むこと
  2. 同じテーマについて多くの著者のものを読むこと
  3. ひとつの本をくりかえし読むこと

このうちのどれが必要か、ということではない。三つがいずれも本質的である。
「1. 同じ著者のものを系統的に読むこと」は、構造化の前提となる、対象となるテーマの背景を、「自分ひとりの身に」網羅的に取り入れるうえで非常に効率的である。
「2. 同じテーマについて多くの著者のものを読むこと」は、テーマを多面的に観察することで、構造を把握しやすくする。
「3. ひとつの本をくりかえし読むこと」は、読み落とし・読み違い・読みすべりを注意深く取り除くことができる。

*1:この故にアマゾンはよい。耳にした瞬間に注文出来る。キンドルをはじめとする電子書籍はもっともよい。耳にした瞬間に読み始めることができる。

*2:東大の小宮山宏・前総長が、在任中に提言していた「知の構造化」をもじったもの。