殺シ屋鬼司令II

世界一物騒な題名の育児ブログです。読書と研究について書いてきました。このあいだまで万年筆で書く快感にひたっていました。当ブログでは、Amazonアフィリエイトに参加してリンクを貼っています。

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かりそめにTrader Joe'sを例えれば「りんごが買えるアップルストア」(狂歌)

10年以上前の2012年に渡米した頃からよく使っていたgrocery食料品店のTrader Joe's(トレジョ)の名前を聞いたことのあるひとは少なくないだろうと思う。日本でもときどきどういうわけかTrader Joe'sのトートバッグを持っているひとがいて、自分で買ったのか人からもらったのかわからないが、妙に親近感を持つ。

Traderと謳うのは、その品揃えに反映されている。エスニックやオーガニックといった、すこし目端を効かせた感じがする品が並んでいる。スナック類も美味しい。質はいいと思う。ベーコンやヨーグルトなども頻繁に買っている。

トレジョは groceryとはいえ、少し高い。しかしやたらめったら高いというわけではない。包装量は少ないかもしれないが、それが一人暮らしのときはかえって適当だった。日本で一人暮らしのときにLawson 100などがむしろ適切なサイズのことがあるのと近いと思う。

家族としてはやはり分量が必要になることがあるので、もっと廉価なgroceryであるALDIに行く。ALDIはどちらかというと業務スーパーに近い雰囲気がある。

余談だがこのALDI、Trader Joe'sと関連企業である、という説がある。これは半分アタリである。なぜ半分かというと、Trader Joe'sを所有するのは、ドイツのALDI Nordという企業である。オッと思うのだが、米国で展開されているALDIというgroceryの母体は、やはりドイツ系であるものの、ALDI Sudという企業である。NordとSudの頭文字がNとSであるということでおおよそ想像がつくかもしれない。北と南である。両者は源流は同じだがある時点で暖簾分けをした別経営の企業同士であるというわけだ。

北アルディグループが米国を訪れたときにトレジョを気に入って傘下に収めたいっぽうで、南アルディグループは多国籍展開の一環として自ら出店した、ということで、関係があるとも言えるしあまり無いとも言える、という事情が出来している。

それでも私と家族はトレジョを訪れることを楽しみにしている。いくつかの品はトレジョでしかお目にかかれないのと、なにしろ雰囲気が楽しい。日本のコンビニにありがちな、マニュアル通りの対応ではもちろんないし、かといって、米国のスーパーでしばしばある、やる気なさそうにしながらやっている感じでもない。

すごく活気がある。レジのひとも楽しそうに見える。子供を連れて買い物をしていると、「あらかわいいね! きみ、シール、いる?!」とサービスしてくれたりする。数枚のシールのストリップをもらった子供は車に乗るなりもうそのシールを全部チャイルドシートに貼り付けてしまうのだが……

別のときには、ショッピングカートに乗った子供に店員のメンのオニイチャンが声をかけてくれて「YO! きみバナナ要る?! あげるぜ!」と一本渡してくれたことがあった。妻などは、米国での生活がまだ長くないし、恐縮していたが、わたしは満面の笑みで礼を言った。

この時の話はそれだけで止まらない。もらったバナナを剥いてみたらちょっと黒くなっていた。それも目ざとくメンが見つけて「なんだ〜黒くなってるじゃん、こっちあげるよ」と交換してくれた。

こういう買い物体験は楽しいと思う。わたしは個人的にアップルコンピュータに入れ込んでいるので、アップルストアのワクワクする感じと近い、と思った。アップルストアとトレジョの違い、それは、ほんとうにりんごが買えるのはトレジョだということだ。だからこの記事のタイトルにした。