- 作者: 外山滋比古
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2015/03/06
- メディア: Kindle版
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『思考の整理学』の著者の、最近の新書だ。
「思考の〜」と似たようなモチーフで、毒にも薬にもならないエッセイだな、と思って読み始めた。もっとも、やや毒寄りとも思えなくもない。
そんな中、ふとメモ術のところで目が留まった。
曰く、メモは、一時集積場(インボックス)としてのノートと、それとは別個に、2系統の「マスター・ノート」を準備する。つまり、3系統が平行するかたちになる。
マスター・ノートは、インボックスからめぼしい記述を抜き出して整理し、再考する。
マスター・ノートは、大テーマの系統と、細々したテーマおよび喫緊の課題を扱う系統の2系統を準備する。
新しいアイディアは、メモを朝書く。
メモには通し番号を振る。
ざっとこういった話が続くのだが、私が目を見開かざるをえなかったのはそれに続く記述だった。
長い間に、いつしか、多くなり、大テーマ用ノートが四十三冊、小テーマ関係が七十三冊目である。それぞれ通しのナンバーがふってあって、前者は四四〇〇をこえ、後者は、これを書いている時点で、一五三六三になっている。
これは真に驚くべき数字だと感じた。だからこそ毒にも薬にもならないというような文章が錬成できる。普段から、溜めている。しかもそれを繰り返し繰り返し考えようとする。
これを見習うにはどうしたらいいものか、と思う。